タクシーアプリの支払いで経費精算はどのくらい楽になるか(2021Q1バージョン)

いろいろあって年明けから先月まで結構タクシー乗って移動していたんですが、タクシーアプリで支払うと経費精算が一部捗るようになったのでそのあたりの経験と今後への期待を書いてみたいと思います。

タクシーアプリとは何か

正確にはタクシー予約アプリと呼ぶほうが良いのかもしれません。予約機能がアピールされていますが、自分は主に都内で流しのタクシーを捕まえて支払い機能ばかり使っています。

支払い機能について

対応しているタクシーに乗ると助手席の裏側にタブレット端末が設置されていることが増えているのですが、S.ride / Go / JapanTaxi などのタブレットだと支払い機能(どのアプリでもウォレットと呼ばれている)のボタンを押すとQRコードが表示されるようになっています。このQRコードスマホのアプリで読み取ると、事前にアプリで設定しておいた支払い方法で決済が完了します。

決済が完了するとドライバーが利用しているカーナビにネット決済が完了した旨が表示されたり、カーナビから決済完了の音声が流れます。運転手がそれを了承すると、目的地到着後に金額確定してネット決済ボタンを押すと支払いが完了し、ドアを開けてもらってタクシーを降りることが出来ます。

電子マネー決済と比べて何が嬉しいのか

以下のメリットがあります。

  • 電子マネー決済だと「決済端末を取り出してもらってタッチして決済を待って領収書受け取ってから出る」という作業になるが、これが不要になるのでより速く降車できる。特にタクシーの料金決済端末はどうしても決済速度が店舗等に設置されているものに比べて時間がかかったり、端末が小さいせいかうまく決済できないなどのトラブルを回避できる。
  • 自分が使っているアプリ(S.ride / Go / JapanTaxi)ではアプリに乗車地点と降車地点・金額・日時などが確認出来て後から領収書も印刷できるので社内で領収書を受け取る必要が無い。忘れ物したときに領収書紛失して困った、みたいなことも避けられる。

要は「降りるときの時間が短くなって、後からいつどこからどこまで乗ったかが確認出来て便利」ということです。

タクシーアプリの種類

S.ride

自分の場合、利用頻度が一番多い気がします。乗車してしばらくするとCMが流れ、一定時間経つと画面下部にナビゲーションバーが表示されて「S.ride wallet」というボタンを押すとQRコードが表示されます。そこから先のQRコードを読み取って決済完了するというフローは JapanTaxi / Goと共通ですが、その後ネット決済完了の音声が流れたり流れなかったりします。設定によって有効・無効が調整できるのでしょうか。

また、決済端末のトラブルがGo / JapanTaxiに比べて多い気がします。金額確定後に何故かネット決済が出来なかったことが1回、メーターと全然違う金額が決済画面に表示されたことが1件、アプリ側でQRコード読み込んでエラーになってネット決済出来なかったことが1回の合計3回です。乗車回数数えてませんが、体感的に発生率は数%以下なんじゃないでしょうか。

あと対応しているタクシーの会社が多いからなのか、ネット決済に不慣れな運転手さんが多いイメージです。とはいえ、これも普及していれば自然と変わってくることでしょう。

ちなみにタブレット端末ではひたすら広告が流れます。期間内では同じCMしか流れないのか、頻度高く乗っていると一瞬で飽きます。しかも乗車直後は支払い画面に移動するためのナビゲーションが表示されないので、短い距離だとさっさと決済済ませたいときに広告を眺めて待つ時間が生じてイライラします。

JapanTaxi

老舗のタクシー予約アプリでしたが、東京・神奈川では今春で運用が止まって後継のサービスであるGoに移行することになるようです。

japantaxi.jp

決済フローは S.rideと同じですが、決済時にトラブルにあったことはなく、運転手さんも慣れてる方が多い印象。

Go

先述の通り、JapanTaxiの後継です。以前はMOVという名前でした。一時期はブランディングのためか、JapanTaxiでしか決済できない端末でひたすらGoのよく分からないCMを見せられてイライラすることが多かったのですが、現在はJapanTaxiの端末でもGoから支払いを行うことが出来るようになり、JapanTaxiからの移行の目処が立ったせいなのか、GOに関するCMも減って快適になりました。

以前はQRコードではなくてスマホタブレットに近づけるという非接触方式をとっていましたが、これが認識されづらかったり、逆に手元にある状態でもさくっと認識されたりと乗車毎に結構な差があって使いづらかったです。特に近づけても駄目なときが何度かありました。さらに「Go / JapanTaxi」みたいに表示されているけど決済はJapanTaxiアプリじゃ無いとできないみたいなこともあって「だったらGoなんて書くんじゃねーよ」とイライラすることもありましたが、 JapanTaxiの終了がアナウンスされる頃にはQRコードに統一され(たまたま自分が非接触式に遭遇していないだけかもしれない)、JapanTaxiタブレットでもGoで決済されるようになり、この辺りのイライラポイントは解消されました。JapanTaxi同様に決済周りでトラブルに遭遇したことはないです。

タブレット端末で広告が流れるのも変わらず。内容も似たようなもので、すぐ支払いできないのも一緒だと思います。

その他のアプリ

DiDiとUber Taxiに対応しているタクシーをときどき見ますが、アプリを入れていないので使い勝手は分かりません。

あとたまに「シートベルトしてね」という情報と運賃表だけを表示していて広告が一切出ないタブレットがついているタクシーがあります。広告に飽きるほど乗っていると何も流れないのが快適に感じますが、何のために出ているのか気になってしまうことも。

この広告出さない端末にも二種類あるようでして、ほんとに降りるまで何もしてこない機種と、目的地到着して料金確定した後で支払い手段をタッチして選ぶ機種があります。後者はQR決済とかする場合は便利なのかもしれませんが、料金確定した段階で運転手さんに「じゃ○○でお願いします」と手段を伝えた辺りで端末に表示されるので「これ意味あるの?」と思うことがしばしばです。乗車直後から表示しておいて、料金確定前に決済手段を運転手さんに伝えられると便利なんじゃないでしょうか。

経費精算

さて、本題の経費精算です。アプリ決済しない場合は領収書を受け取っておいて後日経費精算となるわけですが、領収書には日付はあっても時間が記載されていなかったりして後で見返して「あれ、これ行きだっけ、帰りだっけ?」とか「この日は3地点移動してるけどこれって1地点に行くときだっけ?」とか分からなくなります。頻度が低い場合は紙の領収書でも用途が特定されたりして楽なんですが、頻度高いとつらいの一言です。

しかし、アプリ決済を使うとアプリで乗車履歴が記録されます。しかも乗車地点と後者地点の大まかな住所と乗車日時などが細かく記載されます。S.ride / Goではアプリに表示される履歴をタップして、メールで領収書を送付することができます。S.rideはついこの間までは領収書では無く「乗車明細」みたいなものでメールに本文が記載されていて使いづらかったですが、最近PDFで領収書を発行してくれるようになりました。JapanTaxiは乗車後に事前に設定したメールにPDFで領収書を送ってくれます。

領収書に地図表示が欲しい

あとは経費精算のときにPDFを使って移動経路を記載すれば経費申請完了なわけですが、ここでもう一息各社には頑張って欲しいと思うところがあります。乗車地点と後者地点の住所が「○丁目」くらいまでなので、微妙に近い地点だけど行く先が違うみたいなときだと「あれ、どっちだったっけ?」となるのですよね。しかも、いつも同じ地点から乗っているつもりだけど丁目が変わるときがあったりもします。

理想としては領収書に乗車地点と後者地点それぞれで地図が掲載されていると「あー、この日はここから乗ったってことは○○の案件か」とか振り返れて良いと思います。実際、Goはアプリでの乗車履歴表示だとGoogle マップっぽい地図で移動経路を表示してくれているので、やろうと思えばできるんじゃないでしょうか。

乗車履歴にメモをつけたい

そもそも上の地図表示は「あとから見返したときにどこに何のために行ったのかわからないことがある」のが問題なので、乗車履歴毎にメモつけられれば十分なのかもしれません。どのアプリも決済完了後に「今回の乗車はいかがでしたか?」というようなボタンを表示するのですが、そこでメモ入れられるようにしてもらえると便利なんじゃないかという気がします。

などと書いておきながら元も子もないことを言ってしまうと、この乗車の感想を問うボタンってクリックされづらいと思うんですよね。なぜなら、アプリ決済の場合、完了後にアプリをすぐ開くことはないから。なので、次の乗車したときにアプリ開いたときに前回の乗車に関する情報と評価用のボタンが表示されている、ということが多いです。数日空いたら前回の評価なんて覚えてないし、こっちはさっさと決済したいから無駄なタップが発生して結構ストレスです。クレーム入れたくなるほどひどい対応されたり、逆に高評価したい場合は便利なんでしょうけど。

宛名を選択式にしたい

これはマイナーなニーズかもしれませんけど、複数の所属で請求先を分けたい場合、今はメール送信する度に書き換えないといけないので選択式になってると嬉しいです。

予約機能に関するレビュー

あまり使っていないとはいえ、使ったこともあるのでその感想も書いてみます。

荷物が大きいと車種指定は便利

使ったのはGoだったと思いますが、40インチモニタを移動させるときにスライドイン方式のタクシーを指定して呼べたのは満足度高い体験でした。運転手さんもそんな指定を受けたのは初めてらしく「なんかモニタに車種指定出てるんですけど、この車種でよかったんですか?」と逆に心配されました。アプリでどういう画面が出ていたのか知らなくて、ほんとに自分の車種でいいのか不安だったようで。

この件に限らないのですが、運転手さんがアプリの画面を見たことが無くて戸惑う、ということは多いような気がします。アプリの更新頻度高くて大変だとは思うのですが、定期的にアプリでどう利用者が使っているかを運転手側が知ることが出来るといいのかもしれません。もっとも、慣れてないと使ったことないアプリの画面見せられてもイメージ沸かないかもしれませんが。

意外と指定した位置ぴったりに来てくれない

これは今回使ったアプリのいずれでもそうなんですが、こちらが指定した位置にちゃんと止まってくれることがなかったです。アバウトには止まってくれるのですが「重い荷物を運ぶのでトランク開けて欲しいから交差点の手前にある曲がり角に止まって欲しい(し、それを想定して荷物を前もって移動してある)」みたいなケースできっちり指定したポイントに止まってもらえず、重い荷物を再び移動することが多かったです。

これはアプリ開発者や運転手でないと原因わからないと思うのですけど、一方的な推測として「カーナビで表示される指定位置がカーナビでのズームモード次第では雑に表示されちゃうのではないか」と考えてます。実際、それなりの速度で移動していると10メートル前後の距離で複数曲がり角がある場合、気付くの大変なんじゃないでしょうか。

到着予定時刻のアナウンスはあまり信用できない

これはタクシーを呼ぶ場所にも寄ると思うのですが、アプリから届く到着予定時刻と実際に到着するバラツキが大きいです。アプリの予測というより、運転手毎に最短到達経路が違ったりするからなのかもしれません。早めに待っておくほうが無難です。Goには時間指定予約があるらしいので、前もってタクシーに乗る時刻がきっちり決まっている場合はこちらを試すのがよさそうです。

その他

S.rideは乗車履歴に「忘れ物に関する問い合わせをする」ボタンがついてます。これは親切だなと感じました。使ったことはないですけど。個人で利用する人にとってはアプリで決済するメリットのひとつとして、紙の領収書を受け取らなくても忘れ物した場合にアプリからすぐ問い合わせ出来るという安心感が結構上位に来るんじゃないでしょうか。

Goは先ほども書いた乗車履歴で地図が表示される機能が気に入ってます。ほんと住所だけじゃ思い出せないことがあるので。