2021/03/22から2021/03/28の間に気になったけどそれほど話題になってなさそうなニュースのまとめ
- 地政学的リスクとインテルの選択
- スイッチング円滑化タスクフォース(第5回)
- IT介護
- Next.jsの構成
- 受託やめたい経営者
- ANAマイル経済圏?
- 新型ThinkPadは在宅勤務フォーカス
- コロナ禍のリモートワークアンケート
- マイナカードの保険証利用が延期
- 在学勤務は強制できるのか?
- AppleCardの低い限度額問題
地政学的リスクとインテルの選択
思いっきり話題になっているニュースですが、これまでTSMCなどのニュースも継続的にピックしているので、このニュース紹介ではやはり避けられないところですね。以下の記事は本件が地政学リスクに影響しているであろう点について細かく書いてあります。
すでにAppleにも声をかけているということですから、本気度合いが窺えますね。
同氏は「なぜなら、現在アップルは台湾セミコンダクター(TSMC)に完全に依存しているからです」として、台湾TSMCにiPhone用のAシリーズチップやM1チップ等の製造を頼り切っており、代替生産企業のない危うさを指摘しています。
代替生産かどうかと書いてますが、本音はこちらですね。
中国による台湾侵攻の脅威は「ほとんどの人が考えているよりも差し迫っている」と警鐘を鳴らしたばかりであり、アップルとしても台湾TSMCに依存しすぎるリスクは減らしたいはず。
むしろ米政府とインテルの間でやりとりがあったと考えるくらいのほうがわかりやすいかもしれません。大口顧客を抱えないことには製造工場作っても償却できませんからね。10年先を見据えたリスクヘッジということになりそうですが、やはり焦点はちゃんと製造プロセスが立ち上がるかどうか、でしょうか。
スイッチング円滑化タスクフォース(第5回)
第5回の会合では、eSIMの普及促進、SIMロック解除の一層の推進、キャリアメールの「持ち運び」実現、MNP手続きの更なる円滑化について、資料が開示されている。
なぜかはてブでは上記記事(もしくはタイトルだけ)を見て総務省が指示出ししてるような感想を抱いている人が多いようですね。元ネタであるスイッチング円滑化タスクフォースの資料を見ると、各社への事前ヒアリングと総務省が行ったアンケート結果、及び委員からの意見を踏まえて現実的な妥協点に落ち着いたのかなという印象を受けます。
ケータイwatchの記事には書かれていませんでしたが、キャリアメールはIMAP接続となるようです。言ってみれば、メールボックスサービスをドメイン名そのままで他キャリアでも引き続き使えるように切り出すということですね。妥当な落としところだと思います。
導入時期については、「変更元管理方式」におけるシステム開発期間がMNO3社の平均で約1年となっているため、2022年夏頃には実現することが適当とした。
ということで来年夏には可能になるそうですが、ソフトバンクはサービス合併で残っている旧ドメイン(もしかしてvodafoneとか??)は softbankドメインに移行してから使えるようにするなどの条件はあるようです。ahamoなどの3大キャリア格安プラン登場のときもそうですが、総務省のプランに応じることでむしろキャリアが旧来の制限を外す口実ができる、というのは皮肉といえば皮肉ですね。
IT介護
内容は言葉から想像つく範囲で「えぇ。。」という感じですね。このIT介護という言葉、自分は初めて聞いたと思うんですが、ちょっと前からあるんですね。2019年初等にはすでにあったようです。
Next.jsの構成
create-next-app する度に「同じことやってるけどこれでいいのかな」と思っていたので、比較できる情報が出てきたのはありがたいです。
受託やめたい経営者
比較的小規模なソフトウェア開発会社を経営して数年とか10年という経営者の方からの相談で、ベンチャーキャピタルから資金調達をして自社SaaSプロダクトを主軸に転換したいという内容です。
ウェブ系ではここ10年以上「受託より自社サービスやってるところにいきたい」という開発者が多かったですが、ついに経営者からもそんな声が、というところが新しい点でしょうか。
そのほとんどは数人から十数人いる社員と、その家族が十分に幸せに暮らしていけるような、うまく行っている開発会社です。過去の社歴の中でキャッシュアウトや組織上の修羅場もありつつ、現状ではうまく行っていることがほとんど。それでも「モチベーション的につらい」と言う経営者の方が少なくありません。
10年以上前はこのくらいの規模の受託会社だと社長が営業トップ兼ねていてガンガン案件取ってきて下に投げるようなパターンが多かったように記憶しているんですが、最近はそうではないタイプの経営者が増えているんでしょうか。「受託ビジネスから自社SaaSへの転換の難しさ」や「開発者のモチベーション」など、おなじみのトピックも一通りカバーされていていい記事ですね。
余談ですが、1点だけ逆の話をすると、技術的な探究心や向上心が強い場合にSaaSより受託が良いこともあるかもしれません。5年前の開発フレームワークを使い続けるよりも、納品という明確な終わりがあり、次々に新しいプロジェクトに取り組むほうが性に合うというエンジニアも少なくないからです。
これについては必ずしも成り立たないと思ってます。受託現場で最新のフレームワークを使い続けられるとは限らないですし。どちらかというと様々な業種に触れられるというところで、幅広い知的好奇心がある開発者に向いているという印象です。
ANAマイル経済圏?
このうち旅行事業については、航空や宿泊などの単品売りではなく、検索、予約、購入のタビマエから地上交通、体験、買物、決済などのタビナカまでをひとつのサービスとしてシームレスに提供する「TaaS (Travel as a Service)」を推進していく方針だ。
そもそも旅行はサービスだったのでは、とツッコミたくなりますがそこはさておき、以下はなかなか面白そうですね。
具体的には、耕作放棄地の利活用、2拠点居住、おてつたび(働きながら旅するスタートアップ企業の事業)、ワーケーション、地場産品のブランド化およびECによる販路拡大などに取り組む。また、「地方創生のカギは、労働力不足の解消と域内の経済活動活発化」(高橋氏)として、その解決に向けた関係人口の創出にも力を入れてく。
在宅勤務に加えてワーケーションなども話題に上がっている状況で航空会社が働ける拠点などを作っていくのは合理的な判断だと思います。IT業界はリモートワーク率が他業種に比べて高いので、良いサービスが出てくると真っ先に食いついてくるユーザーも多そうです。
新型ThinkPadは在宅勤務フォーカス
近年、テレワークは一般的な働き方のひとつとして社会に浸透。こうした社会背景の変化にともない、ノートPCにも優れたコラボレーション機能が求められている。
ということでスピーカーやカメラなどを強化しているそうです。こういう明確なターゲットがノートPCに出てきたのは軽量・小型化が浸透してからは久しぶりなんじゃないでしょうか。
とはいえ、ノートPCでスピーカーとカメラを強化してもウェブカムと高品質USBマイクには叶わないと思うので方向性は良くても効果はどうなんでしょう。
コロナ禍のリモートワークアンケート
また、日本は世界平均に比べて下記のような特異な傾向にあることが分かった。
タイトルではストレスと孤独感の話が出ていたんですが、個人的には他の項目の方が面白かったですね。
63%(世界平均は40%)は「コロナ禍でも生産性が変わらない」と回答 35%(世界平均は27%)は仕事中に孤立していると感じている 48%(世界平均は39%)は仕事で疲労を感じており、45%(世界平均は42%)はストレスを感じている 39%(世界平均は41%)は1年以内の転職を検討している
アンケートの対象者がこの記事だけでは分からないのですが、もし本当に「コロナ禍でも生産性が変わらない」が過半数だとすると散々言われている日本の生産性低下は待望のリモートワーク導入(=足回り的な意味でのDX)が達成されても変化がないのではないかという懸念が生じるところだと思います。反対に一番最後の転職希望は世界平均より2%低いだけとなっていて、日本全体で見た場合は高い数字なんじゃないでしょうか。
マイナカードの保険証利用が延期
4日から一部の医療機関や調剤薬局での試行が始まっており、足元では全国54施設で実施している。従来の保険証の持参を不要とする本格運用の開始を3月下旬中に予定していた。
試行の時期がだいぶギリギリですね。現時点で明らかになったのは良かったんじゃないでしょうか。
関係者によると、試行ではカードをかざしても、本来の保険証に記載された情報と一致しなかった事例があったという。健康保険を運営する企業などの保険者側のデータ入力に誤りがあったことが原因の一つとみられている。
標準フォーマットの定義が甘い、というのは医療ヘルスケア業界あるあるな印象ですね。きっちり定義するには量が膨大で例外事項も多い、ということが原因なんだとは思いますが。
在学勤務は強制できるのか?
昨年6月の記事なんですが、在宅勤務を会社が強制できるのかということについて人事コンサルタントが書いた記事です。
契約書などに記載のある勤務場所は、会社(勤務先)の所在地になっています。採用募集や労働契約書の勤務場所には本社や支店、工場、店舗といった記載がされているはずです。自宅勤務がある旨の記載がありません。そもそも自宅勤務という単語が規程や契約書のどこにも書いていない場合が多いのです。
なるほど。
強制するのであれば、「自宅勤務を命ずることがある」という記載が必要です。
明示する必要があるということですね。このほか、経費に関する話も記事には出ています。
AppleCardの低い限度額問題
これDHHが引き金を引いていた件ですね。そのときの記事もGIGAZINEにありました。
データ分析の中で、同様の信用情報を持つ男性と女性に対して、Apple Cardのアプリケーションが同様の結論を出すことも示されました。
DHHの報告は正しかったと。
Apple Cardがクレジットに関して適切にユーザーを判断していないと感じる人に対して、「配偶者の信用情報に依存していたり、配偶者にクレジットカードの使用を許可されているユーザーは、配偶者と同じ信用情報を持っていると誤解しているかもしれません」と呼びかけました。
でも、配偶者の信用情報に依存してるかどうかって調べようがあるんでしょうか。